男のスキンケア・男も毎日スキンケアについて
男のスキンケア
化粧をするのは女性だけではありません。
近頃は、男性用の化粧品も店頭に並ぶようになりました。
男性に肌の悩みを尋ねた資生堂の調査によると、50〜60歳代の3大悩みは@たるみ、A皺、B染み、なのだそうだ。
これらはいずれも肌の老化によるもの。
同社は、スキンケアで肌の老化を抑えた場合と、何もしなかった場合の、60歳代の男性の顔をコンピューターグラフィックス(CG)で作成した。
老化が進んだ顔は、気のせいか人相まで悪く見える。
さて、こうならないためには?
「紫外線対策を一番に」と勧める専門家が多い。
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日本抗加齢医学会理事で、大阪市の美容皮膚科「サンクリニック」院長、市橋正光さんは、通勤用と趣味の登山用に2種類の日焼け止めクリームを使い分け、夏はもちろん、冬でも外出時には必ず塗る。
紺色の日傘も愛用している。
紫外線対策を始めたのは15年ほど前だが、肌は若々しい。
肌の老化防止には紫外線を避けるのが一番。
年をとったら年相応の顔に、と諦めている人は多いが、中高年からでも決して遅くはありません。
紫外線は皮膚の細胞の遺伝子に傷を付ける。
年齢とともにその傷を治す力が弱まってくると、染みの色素を作る原因になる。
また、紫外線を浴びると、皮膚の中に活性酸素が発生し、皮膚に張りを持たせる働きをしているコラーゲンなどを破壊する。
これが、皺やたるみの原因になる。
だから、紫外線を避けるとともに、活性酸素を抑える「抗酸化作用」のある食品を摂ると良いそうだ。
資生堂でサプリメントの研究をしている管理栄養士の中野三津子さんに、そうした食品を教えてもらった。
市橋さんも、強い日差しを浴びた日には、緑黄色野菜をしっかり摂るという。
もう一つ、中高年男性の肌の悩みといえば、「脂性」がある。
カネボウ化粧品・エステティックライフ研究所長の島上和則さんによると、もともと女性に比べて男性は皮脂の分泌が多く、年をとってもあまり減らない。
「中高年でも若い時と同じくらい皮脂が出ていることを知り、肌を清潔に保ってほしい」と話す。
但し、洗い過ぎは禁物だ。
皮脂を洗い流し過ぎると、肌はそれを補うために益々皮脂を分泌する。
北里研究所病院・美容医学センターを訪れた男性患者は、酷い脂性で1日に何度も顔を洗っていた。
センター長の宇津木龍一医師が、朝晩の1日2回、石鹸を使わず水だけで洗うように指導したところ、1年後には脂っぽさがかなり改善されたという。
抗酸化作用があり、たるみ、皺、染みを予防する成分とそれを含む食品は以下のようなものです。
カロテン:
人参、ほうれん草、ブロッコリー、南瓜、オクラ、莢隠元、グリーンアスパラ
リコピン:
トマト
ビタミンC:
野菜、果物、イモ類
ビタミンE:
植物性油、抹茶、アーモンド、アボガド
アスタキサンチン:
鮭、イクラ、鱒
男も毎日スキンケア
日本橋高島屋は2004年、6階紳士服売り場に男性化粧品コーナーを設けた。
アラミス、資生堂、イッセイミヤケなどの6ブランドの化粧品が並ぶ。
コロンやアフターシェーブローションの他、化粧水、美容液、栄養クリームなどこれまで男性には馴染が薄かったスキンケア製品も多い。
売れ筋は3000〜4000円台。
売り場には、皮脂が多い肌か、乾燥肌かなどを診断する装置が設置され、「若い世代だけでなく、50、60歳代の利用者も増えてきた」と売り場担当の岡田茂樹さん。
これまでは男性用化粧品と言えば、整髪料や髭剃り関連が中心。
しかし、ここ数年男性の肌を整えるスキンケア商品が相次いで登場。
例えば、大手化粧品メーカーの資生堂は、売り上げが対前年比40%程度伸びているという。
男性の皮膚は女性に比べてもともと皮脂分が多く、水分が蒸発しやすい特徴がある。
さらに、毎日の髭剃りも、肌の負担になる。
皮脂が多いと汚れも付きやすくニキビなど肌のトラブルの原因にもなりやすい。
紫外線も、肌の老化を進める一因になる。
「オフィスのエアコンによる乾燥や毎日の紫外線、ストレス、睡眠不足、不規則な食生活などから、肌のトラブルに見舞われやすいのは男性も女性も同じ」と、資生堂の男性化粧品開発担当、長島康之さんは話す。
肌をいい状態に保つには、正しく洗顔し、保湿する毎日のスキンケアが重要だ。
「洗顔は肌を優しく扱うのが基本です」と、長島さん。
石鹸や洗顔フォームを使ってごしごし洗う男性は多い。
それでは肌を傷めやすく、紫外線など外部からの刺激の影響を受けやすくなる。
まずは洗顔フォームを1センチほど手に取り、ぬるま湯を少しずつ加え、手のひらで十分泡立てて、優しくマッサージするように洗う。
拭く時も、タオルを軽く顔に押し当て、水分を吸い込ませるとよい。
洗顔後には化粧水で保湿するのも良い。
洗顔後に乾燥が進み、肌の潤いを取り戻そうと皮脂が出て、かえって顔が脂っぽくなることもあるからだ。
「外出前に紫外線予防のクリームを使ったり、寝る前の洗顔後に、肌に栄養を与えるクリームを使ったりと、手入れをすれば、5年後、10年後に違いが見えてきます」と長島さんは話している。